悠久の歴史と多様さを持つインド。2023年には中国を抜き、世界一に踊り出る人口大国は、豊富な若年層が支える「人口ボーナス」が継続し、中間所得者層の拡大が期待されています。IT(情報技術)分野に強く、英語に堪能な国民が多いため、グローバルなデジタル産業の一大拠点として高い経済発展を遂げてきたインドは、いよいよその目線を国内にシフトし、成長ストーリーを描こうとしています。モディ政権の掲げる改革実行を旗印に進化するインド。 4つのキーワードから、インドの力強さに迫ります。
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製造業の育成を強力に推進
インドでモノづくりを――。「Make in INDIA」をキャッチフレーズにインドは今、第2次産業である製造業の育成を進めています。狙いの1つは裾野の広さ。ITやコールセンターといった第3次産業と比べ、多数の雇用が見込まれ、消費の拡大も期待されます。
外国企業を誘致するため、電力・物流・通信といったインフラを整備し、投資規制の緩和などビジネス環境を改善してきました。インドの技術力は高く、宇宙ロケットと人工衛星を自国で開発・製造できる数少ない国の1つであることはあまり知られていません。これからは、中国からの生産拠点移転の受け皿を視野に、電子部品や半導体、電子機器の製造を促進していく構えです。
インフラ投資で近代化が進む都市
高層ビルが林立し、太陽光パネルや全自動のゴミ収集、テキストメッセージによる交通情報の通知――。インド政府が推進するスマートシティ構想では、大都市においてITや最新技術を活用し、課題解決を目指す先進的な姿も描かれています。
2023年までにスマートシティを100カ所構築する政策「スマートシティミッション」は、インドが抱える大都市の過密化を改善し、水道や電気といったインフラや生活環境を整えていくことを喫緊の課題としています。
世界をリードするIT先進国として
インドでは既に、国を挙げたデジタル化政策が進んでいます。生体認証技術を活用した国民ID「Aadhaar(アドハ―)」によって、これまで身分を証明できず、銀行口座を開設できなかった人の金融取引が可能になり、銀行口座と電話番号を紐づけたことで、給付金などを直接銀行口座に支払えるようになりました。
ITやヘルスケア、金融サービス、eコマースなどを中心にスタートアップ登録数は拡大を続けており、2021年にはユニコーン*企業数でも世界3位の規模となりました。
*企業価値が10億米ドル以上の未上場企業